夕刻散歩に出た。
食事の前にちょっと歩いてこようか?という声に 他の二人が頷いて、
いつものように公園に足を向けた。

途中、 「ゆみゆみ、カメラの用意」というダーリンの声で
え?と遠方を見ると、鴨の親子が道を歩いてくる。

IMG_0970

他にも見物している方がいて、 その中を鴨の親子は行進している。
かわいいなと思って写真を撮り始めた。

「ね、でも、どこから来たの? この辺、池もないよ?」 とふと呟くと、

どなたかが、 「午前中からうろうろしている」という。

じゃ、迷子になったんじゃ・・・と心配になってきた。

IMG_0971


そうこうするうちに、 子鴨たち、ママの後をひたすら、とことこついて歩いているものだから、
途中、 何羽かが、側溝?に落ちてしまった。

「キャ~」と叫ぶ私。

しゃがみこんで、蓋を開けるダーリンズ。
汚泥の中に躊躇いもせず、手を突っ込むダーリン(カッコいい)

汚れた子鴨を何とか、救出。

EZaxFidWAAAIaXT


「このままじゃ、色々危険だよね。 猫だって、犬だって、いるし・・・」

でも、午前中からうろうろしていたんでしょ?
誰も何もしてあげなかったの?とは思ったけれど、それは口にせず・・

「この辺で池ってどこ?」 と聞くと、

「ほら、通りの向こうの公園に池が・・」 と誰かが答え・・

ということで、捕獲を試みることになった。
捕獲しようと動き出したのはダーリンだけで、後の方々は見学。
口だけ挟む。

IMG_0973

家から、プラスチックのケースを持ってきた。
子鴨は言うまでもなく、簡単にケースに収められた。
ママダックはそう簡単には行かない。
かなり格闘したのだが、もう少しというところで、逃げてしまう。
当たり前だよね。
捕まりたくはない。

IMG_0974


どうしても無理そうなので、 子鴨を入れたケースを抱えて歩き出してみた。
ママダックは、後をついてきた。
でも、池のある公園までは、結構、距離がある。
それに、朝からの放浪で、ママもベイビィたちも、かなり疲れている。

途中、ママダックは、歩き疲れたのか、飛んで行ってしまい・・・
時折、戻ってきて後をとことこついてくる。
でも、公園までは中々先導できない。
何度も行きつ戻りつを繰り返し、なんとかかんとか、 公園の入り口まで到着した。
ところが、何を思ったか、 また、ママダックは飛んで行ってしまった。

この時点で、8時過ぎ。
段々日が落ちてくる。
しばらく公園の中をうろうろして、 ママダックを待ったのだけれど、 やって来そうもない。

そうこうしているうちに、すっかり夕刻の光になってしまい・・・
暗くなってしまったら、たぶん、ママダックも 子鴨を見つけられない。
仕方がないので、一晩、子鴨10羽を保護することにした。

IMG_0978


もちろん、帰途もママダックを探したけれど、現れない。

家に戻り、動物愛護協会のようなところに連絡をいれ、 どうするべきか指示を仰いだ。
できれば、ママダックと一緒にしてあげたいけれど、 少なくとも、命は守れるように。

お水をあげて、取り急ぎ検索して食べられという卵の黄身をあげた。
そしたら、黄身まみれ。
仕方がないので、流しで行水。

IMG_0975

一晩明けて、子鴨たちは大丈夫だろうか?とおそるおそるケースを覗く。
みんなで重なりあうようにして固まってはいるが元気そう。

朝方、ダーリンがママダックを探しに行く。
だけど、 姿は見えない。
子鴨たちを、ケースに入れて、庭に出す。
ママダックが鳴き声を聞きつけてくれるとことを願って。

それから、ダーリンは、何度となく、ママダックの探索に出かけた。
でも、影も形もない。
動物愛護協会(のようなところ)に引取りの連絡を入れる前に、最後の探索と言って、
ダーリンズは、子鴨のケースを抱えて、外出した。

私が同行すると、足手まといになりそうなので、留守番。
なので、この後の展開については、ごめんなさい、写真がありません。

しばらくして、二人が戻ってきた。
窓越しに「見つからなかった?」と合図をすると、空になったケースを見せられた。

え?え?ママダックがいたの???と思い、話を急かす・・

二人は、ママダックを探してしばらく歩き回った。
けれど、見つかりそうもなく・・・
そうこうしているうちに、フィールドで、鴨の母子が散歩をしているのに出くわした。

ママ+子鴨6羽。
もちろん、違うママ。
もしかして??と思い、ケースの中の子鴨を1羽放すと、子鴨はとことことその母子に駆け寄った。
ママダック、ちらりと振り返り、新参者を目視。
でも、特に気にする様子もない。
というわけで、1羽ずつ、放ってみると・・・
10羽、全部、そのママダックの後をついていく。

6羽だったベイビィが計16羽になっても、なんらひるむこともなく、
まとめて面倒を見る姿勢のママダック。

その後の様子をしばらく見守り・・・。
無事、養子縁組は終了。

ベストの解決ではないけれど、このエリアは、10羽の子鴨ママの飛行エリアでもある。
少なくとも、子鴨たちは保護者の元。

ママと引き離してしまったのは、本当に本当に申し訳ないと思うけれど、 何より、命を守りたかった。
10羽を放したフィールドはすぐ近くなので、時折、覗いてみようと思っている。