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オーストラリアに来るまで、アボリジニのことなんてなにも知らなかった。

知っていたことっていったら、オーストラリアの先住民族であること、ブーメランを使う、ということぐらい。

と言っても、日本人でありながらアイヌの人々のことだってほとんど知らないが・・・・。

住み始めてから4ヶ月した頃「建国記念日」がやってきた。

「へぇー、建国記念日、そういうのあるんだ」と思い、
メディアを覗いてみると、あっちこっちで盛大なお祭りが開かれる。
来たばっかりだったこともあり、どんなことするんだろう??と興味が湧いた。

でも、そもそも建国記念日ってどうやって決めたの?

建国記念日は1月26日。
その日は、1788年にイギリスから最初の移民団が入植した日だ。

depositphotos_93875324-stock-illustration-australia-national-day


ちょっと待って。
それって、イギリス人から見れば入植だけど、アボリジニー側から見れば侵略の日じゃないの?
その日を記念してお祭りするの????

無知を自慢していても仕方がないので、アボリジニーの歴史をちょとだけ勉強してみた。
びっくり。
あんぐりの歴史。

大量虐殺に始まり、
アボリジニ狩りというカンガルー狩りと同じような殺戮、
毒殺(井戸の水に毒を盛って!)、
強姦、
奴隷化・・・・
イギリス人はアボリジニーを全く人間扱いしていなかった。

殺戮の後行われたのが「保護」という名のもとの収賄と経済的、性的搾取。
家族は離散され、言葉は奪われ、白人の習慣が強制された。

1920年代になると「保護」政策が「同化」政策へと転換する。
家族を解体し、アボリジニーの子供達に”教育”を受けさせるために公共機関へと収容した。

この世代を、「失われた世代」と呼んでいるらしい。
シドニーオリンピックで開会式の最終ランナーをつとめたキャシー・フリーマンのおばあちゃんはその世代だと言う。
結果、おばあちゃんは、自分の本当の名前も誕生日も生誕地も知らない。

ため息がでた。

今年ももうすぐ建国記念日がやって来る。