波打ち際を裸足で歩くのは、気持ちのいいものです。
足の指の間にムニュムニュと砂が進入してくるのを感じながら、
普段は気にもしない、指の一本一本を意識したり、
土踏まずに砂が触れるのが嬉しくて、強めに足を踏み下ろしてみたり…・・。

上質の木で張られた床張りを素足で歩くというのも、
何ともいえない心地良さを感じさせてくれます。
木肌から体全体にジワジワと柔らかな快感が染み入ってくるような感じ、
とでも言ったらいいのでしょうか?

裸足はとても気持ちのいいものです。

でも、オーストラリアのショッピングモールでそれを見た時は、
正直言ってびっくりしました。
街の中心にあるショッピングセンターです。
そこを、ペタペタと裸足で歩き回っているのです。

「え?」と始めは振り返りました。
去り行く後姿をしばし凝視したりもしました。

ところが、良く見ると、そういうお方、一人二人ではないのです。
あちこちにいる。
普通のオージーたちは、誰も気にしません。
はい。目もくれません。

気をつけて見てみると、ショッピングモールだけではない。
スーパーマーケットの中にも、カフェの中にも、もちろん、普通の道路でも…。

痛くないかな~?
熱くないかな~?
汚くないのかな~?
と余計な心配をするのは私ぐらいです。

ある日、スーパーにお買い物に行きました。
右にマイ・ダーリン。左にマイ・リトル・ダーリンを従えて。
ピタピタという音で、ふと足元に目を下ろしました。

裸足の足が、四つ。しっかり床を踏まえていました。