以下、「きくち体操で体が生き返った」菊池和子著より抜粋
「ルーの法則」
① 筋肉は使わないと退化する。
② 筋肉は適度な刺激を与えれば発達する。
③ 過度なトレーニングは筋肉を萎縮させる。
私達の体の中で、筋肉は重要な役割を果たしています。
立つ事、歩く事、食べ物を噛む事など、全ての身体の動きは筋肉の力のお陰です。
また、本来バラバラなはずの骨と骨を、あなたの形に結び付けてくれているのも筋肉の力があるからなのです。
人間の骨はみなバラバラで、筋肉が繋ぎとめていなければ、骨格は成り立ちません。
成人でおよそ、206本ある骨は、筋肉の存在があるからこそ、骨格を成して人間の姿を形作り、
動くことができるのです。
身体を動かす筋肉の刺激を受けて、骨が初めて作られることをご存知ですか?
食べ物だけでは、強い骨にはならないのです。
筋肉を正しく育てていけば、身体の中身もよくなり、美しい体を作ることができます。
特に、体中の骨を動かす筋肉に繋がっている手と足を育てることで、結果として身体のあらゆる筋肉が育ちます。
筋肉によって支えられている骨も、筋肉の使われ方の通りの形になりますから、
骨が歪んでいる場合、筋肉を正しく育てていけば、歪みも正せるのです。
筋肉は、首、腕、脚というように独立しているのではなく、見事に繋がっています。
ですから、一つの動作をするにはたくさんの筋肉の動きがあるのです。
毎日育てていかないと身体は萎え、反対に育てていけば日増しによくなっていきます。
人間は年を重ねるに従って、能力や体力が衰えると何となく思い込んでいますが、
最近の老年学の研究では、健康であれば高齢者の多くは死期が近づくまで、
知能も心身の能力も保持していることがわかってきました。
適度な刺激を与え続けていけば、私達は老化を食い止めることができます。
人は年をとったから老化するのではなく、どう育ててきたかでその老化の仕方が決まります。
スポーツでは身体は育たない。
スポーツはその種目にあった必要な筋肉が発達してくるため、
身体に歪みが生じやすく、健康を害する原因になります。
それは、私が長い間選手生活を送り、その後遺症を持っているのでよく理解できます。
手・腕の筋肉は背中、胸へとつながって上半身を形作り、
足・脚の筋肉は尻・・腹へと繋がって下半身を形作っています。
腕はその内側の筋肉が縮むことによって物を持ち上げることができるわけですが、
毎日の生活の中で縮みが増し、伸びる力が段々弱くなって柔軟性が損なわれてきます。
この柔軟性を保つためには、日常の動作では動かし足りていない筋肉を動かし、育てることが大切です。
あしは生命です。
あしの指はとても大切です。私達が立ったり、歩いたり、走ったりできるのは、このあしの指のおかげです。
脚の筋肉は全体で上半身を支え動させます。
特に大腿骨を支えている腿の筋肉の発達はとても重要です。
腿の前側の筋肉は、
大腿骨の先端にある膝関節を守るための膝のお皿(膝蓋骨)を引き上げる力(膝をまっすぐに伸ばす力)、
骨盤を前で支える力、
お腹の筋肉(腹筋)に繋がっている脚の付け根(鼠蹊部)の力になっています。
腿の後ろ側の筋肉は、骨盤を後ろから支える力、膝を伸ばす力、腰の力となります。
腿の側面の筋肉は、強いスジ肉になっていて、
膝関節、股間節を横から押さえて支える力、
お尻から腰へつながって腰を支える力となります。
腿の内側の筋肉は、足の親指から繋がって背骨を支える力、
骨盤を内側から支える力となり、それが、まっすぐ立つ力になっています。
もし、あなたが猫背で姿勢が悪いと気にしているならば、
足の親指、腿の内側、お尻、仙骨と順に意識し力を入れるように繰り返してみてください。
しだいに見た目にも美しく、身体の中もバランスのとれた姿勢がとれるようになります。
脳外科医
「脳を見ていると、身体の各器官は、全て脳のためにあるようだと思える」
手と足は外に飛び出した脳
脳の活性化にいて、手足を動かす重要性は大きい。
身体と脳は繋がりが深く、身体を動かすことで脳が活性化します。
脳には、感覚中枢や言語中枢など色々な中枢があります。
それらは隣り合って互いに刺激し合い発達するという相乗効果のしくみになっています。
脳の中で、筋肉の運動をつかさどる「運動野」と呼ばれる領域があり、大脳皮質の中央に位置しています。
運動野には、身体の各部分からの刺激を受ける場所が別れて存在しています。
まさに、身体と脳は繋がっているのです。
筋肉の運動をつかさどる「運動野」の中で、一番広い範囲を占めるのが口、次が手、そして、足の順です。
手や足の指などは、一本一本がそれぞれ脳と繋がっています。
つまり手の指や足の指を動かすほど、脳の広い範囲に渡って刺激が送られるのです。
それだけに、脳にとっては、身体の中で口や手の指、足の指が大切な部分ということになります。
足の大腿骨は、骨盤から横に張り出した形で上体を支えています。
足を使うことで骨盤から背骨に刺激が伝わり、神経のバランスを整えます。
そして、脊髄で行われている造血作用を促進し、さらに頚椎から脳に伝わって、脳の活性化を促します。
筋肉の運動をつかさどる「運動野」の後ろにピタッとくっついて感覚中枢があります。
これは、身体の動きが運動野を揺さぶり、その刺激が感覚を発達させることを意味しています。
ここで五感も磨かれるのです。
五感というのは外界を知る感覚です。
この五感が鈍いということは、外界に対しても、また、自分自身(内界)に対しても鈍いということです。
これは熱いとか、これは硬いとか、それらの感覚が集まって、自分をとりまく環境を把握し、
その中で生きる自分をコントロールする力になります。
それが「分」と呼ばれるものだと私は思います。
そして「分」を越えないように生きていく知恵が生まれるのです。
みんなが身体を動かさなくなくなって、五感が衰えたと私には思われてなりません。
五感を磨き、自分の「分」を知っていれば、他の目安に振り回されずに、
自分なりの楽しい人生を歩けると思います。
ぜひ、自分自身の内なる声に耳を研ぎ澄まし、「分」を知るように努力してほしいと思います。
「きくち体操」の動きのポイント
① 身体の隅々まで十分に動かして、普段使い足りていないところまでも生かす。
② 動かす部分に意識を集中する。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8D%E3%81%8F%E3%81%A1%E4%BD%93%E6%93%8D%E3%81%A7%E4%BD%93%E3%81%8C%E7%94%9F%E3%81%8D%E8%BF%94%E3%81%A3%E3%81%9F%E2%80%95%E3%81%97%E3%81%AA%E3%82%84%E3%81%8B%E3%81%AA%E8%B6%B3%E3%81%A8%E6%89%8B%E3%81%8C%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B-%E5%BA%83%E6%B8%88%E5%A0%82%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%8F%8A%E6%B1%A0-%E5%92%8C%E5%AD%90/dp/4331005720
以下、 『食べない健康法』石原結實著より抜粋
なぜ筋肉を鍛えるのかって?
筋肉を鍛えることは、
体のあらゆる部分の健康を効率よく維持してくれるからです。
筋肉を動かすと体温が上がります。
体温が1度上がると免疫力が5倍になります。
一方、体温が1度下がると免疫力が30数%下がります。
筋肉を動かすと血管が拡張したり、収縮します。
これにより心臓の働きが助けられて、
循環器、高血圧、心臓系の疾病の予防になります。
筋肉を動かすと骨も強化されるので、骨粗しょう症の予防にもなります。
筋肉を動かすと、筋肉の細胞から男性ホルモンが分泌されるから、
自信が出てきてうつ病にも効果的です。
その上、脳の血流が活発になって記憶中枢をつかさどる海馬を刺激し、
認知症の予防にもなるのです。
体温が1℃下がると免疫力は30%以上低下し、
逆に、平熱より1℃体温が上昇すると、
免疫力は一時的に5~6倍になるともいわれているので、
「冷え」は、健康・生命にとって大敵である。
体温の40%以上は、筋肉細胞から産出されるもので、
体温上昇=免疫力増強に、筋肉運動は極めて重要である。
全筋肉の70%は、腰から下にあるので、
下半身の運動をする方が、上半身の運動をするより、
体温の産生には効果的である。
よって、ウォーキングが筋肉運動の基本になる。
筋肉を鍛えると体温上昇のみならず、以下の効果がある。
① 筋肉の収縮/弛緩により、筋肉内を走っている血管が収縮・拡張を繰り返し(乳搾り効果)、
血行をよくして、高血圧や心臓病の予防・改善を促す。
② 骨の血行もよくなり、骨粗しょう症の予防や改善につながる。
③ 筋肉細胞内のGLUT-4 (グルコーストランスポーター4)が、血液内の等分を筋肉細胞に吸い上げるので、筋肉は強くなり、血糖は下がり、糖尿病の予防・改善につながる。
④ 脳の記憶中枢「海馬」の血行がよくなり、記憶力の増強、ボケ予防につながる。
⑤ 食べ物の消化管通過時間が短くなり、発ガン物質の大腸への刺激時間が少なくなるので、大腸癌発生率が下がる。
⑥ 筋肉細胞内から男性ホルモン(女性にも約10分の1存在)の産生、分泌が高まり、体温上昇との相乗効果により、自信がつき、「うつ」が改善する。
体重の45%を占める人体最大の器官である筋肉を刺激、動かさずして
「健康」などありえないのである。
筋肉は人体最大の器官であり、免疫を高め、心臓・循環系の働きを助け、
骨を強くし、気力を保つのに、とても重要なのです。